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ver.6.0 ハッスル宣伝のためのPRIDE勝利 ~040425_小川×レコ~

marc_nas
2004.05.07
 なんだか毎週書いてる感のある"尖ったナイフ" a.k.a. marc_nasですが、今回も独自の視点で総合格闘技界を一刀両断し、見えない側面を切り取ってみなさんにお届けしていきます。今回は泥仕合の様相を呈してきたPRIDEとK-1の選手の引き抜き問題について書こうと思ってました。が、先程フジテレビで放送されたPRIDEGP2004開幕戦が14.8%の高視聴率を獲得し、見られた方もたくさんいると思いますのでmarc_nas的にPRIDEGPを統括、もとい、総括させて頂きます。
 まず、予定調和のミルコ・クロコップ×ケビン・ランデルマン戦について。過去のDialogueでも触れた通り、戦前からミルコ最強説に危惧の念を抱いていた。ランデルマン級の一流レスラーのタックルは切れないと。そして上になられてインサイドガードからパスせずパウンドをうけた時が敗れる時だと思っていたが、その通りになった。一点予想外だったのはテイクダウンがタックルではなく打撃だったこと。一見、猪突猛進型のランデルマンの大振りラッキーパンチが不用意なミルコに当たったように思える。
 しかし実はそれは違う。この試合は決してフロックではなく予定調和なのだ。ミルコの左ハイキックを警戒し、右のガードを下げず、自分のパンチの距離を保つために恐れずに前に詰めていったランデルマンの勇気の作戦勝ちなのだ。その結果、カウンターの左フックがクリーンヒットした。これはランデルマンが試合後に語ったことなので、結果論であり理由の後付けかもしれない。もう一度戦ったとしても同じ結果がでるとは限らないし、もちろんK-1ルールで両者が戦ったとしたらミルコは勝利するだろう。しかしこれがPRIDEGPであり、ミルコはまだまだ総合格闘技の選手としては不完全でありトップ3と呼ぶには程遠いと考える。
 そして、予定外調和ともいうべきか不測の事態、小川直也×ステファン・レコ戦について。PRIDEのリングから離れて3年半、36歳になった小川の勝利など期待はするも予想などできなかった。伊原ジムで打撃を学び自信をつけた小川が前回の佐竹戦、前々回グッドリッジ戦同様、打ち合いを挑みKOされるだろうと考えていた。以前はそれでKOされなかったが、今回の相手は世界のK-1トップファイターレコである。
 が、それは杞憂にすぎなかった。総合格闘技での打撃の技術は小川の方が上だった。そして左フックでダウンをとりグラウンドの攻防になるとレコは小川の敵ではなかった。完全勝利の後、マイクパフォーマンスで「PRIDEもいいが自分はあくまでハッスルの宣伝のためにやってきたんです!」と言ってのけた。会場のPRIDEファンは嘲笑していたし、僕自身も笑ったが、プロレスファンにとってはなんと気持ちいい言葉だろうか。勝利したからこそ言えるセリフである。どこか予備校のコピーで「学歴なんて関係ない。東大出てから言ってみたい」というのがあったが、それに通ずるかっこよさがこの日の小川にはあった。
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