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Hero's Eye戦うための環境 |
Hero 2004.08.13 |
7月19日に行われたPRIDE武士道其の四を観戦するために、名古屋へ向かった。 今回、マーカス・アウレリロ vs 三島☆ド根性ノ助の熱戦や、ミルコ・クロコップの参戦など見どころはいくつかあったのだが、なにより観客を一番に歓喜させたのは、ブラジリアン・トップチームのファビオ・メロと戦った五味隆典であろう。
3回目のPRIDE登場となった今回も、過去2戦と同様の圧倒的な強さを見せつけてくれたのである。日本 vs ブラジリアン・トップチームという構図の中で彼の勝利は感動や興奮をもたらすのとともに、日本人のナショナリズムをおおいに刺激するものであった。
すでに試合から時間も経過しているのでここでは試合内容には触れずにおくが、わたしはこの試合でもうひとつ感動させられるポイントがあった。練習をともにするチームのメンバーをリングにあげて、紹介していったのである。スパーリングパートナーやトレーナーに留まらず、応援に来ていた所属道場のちびっ子、そして最後に木口会長。PRIDEでこのような場面はあまり見かけない。自分の勝利だけをアピールするのではなく、共に戦っている仲間をいかに大切にしているかを如実に現していた光景ではないだろうか。彼にとっては、道場のちびっ子たちも共に戦っている仲間であり、それが自分の力となっていることをよく理解しているにちがいない。
こういった環境は、技術はもちろんだが、人間を成長させる。マイクで彼の言う『デコボコチーム』を紹介し続ける姿は、かつて修斗で連勝街道を突き進み、荒々しくヤンチャな印象が強かった頃とはひと味違うような気がしたのだ。人は人によって成長していくのだ。今後も五味という男からは目が離せそうにない。
さて、話は変わるが間もなくアテネ五輪が開幕する。
観戦する側からすれば、とても楽しみな時期なのではあるが本番直前のこの時期に選手はどんな気持ちなのだろうか。。。などと毎回思う。ただ、超がつくほどなんの取り柄もない一般人の私には、そんな選手の心境など知る由もないのだが。。。
観戦する側からすれば、とても楽しみな時期なのではあるが本番直前のこの時期に選手はどんな気持ちなのだろうか。。。などと毎回思う。ただ、超がつくほどなんの取り柄もない一般人の私には、そんな選手の心境など知る由もないのだが。。。
そんな中、ひとつ心配な事がある。足を負傷した谷亮子である。 2001年ミュンヘン世界選手権では、右膝を負傷しながらも前人未到の5連覇を達成したこともあるが、今回は4年に1度のオリンピックである。世間の注目度合いは世界選手権の比ではない。彼女のオリンピック2連覇はむずかしいのではないだろうか。
怪我を押して出場した試合で活躍すれば、それは大いなる感動の要素となりうるのであろうが、当の選手はそんなことはまったく願っていないはずだ。これは素人の私でも容易に想像がつく。誰もが完璧なコンディションで試合当日を迎えたいはずであるし、それをサポートするのが全柔連のはずである。
本番前にどうしても厳しい稽古が必要になってくるのは柔道に限ったことではないが、どうも柔道においてはその厳しさが高い確率で深刻な怪我につながっている気がしてならない。このような本番直前の怪我を聞かされると『またか。。。』と思ってしまうのだ。これは選手個人にも責任はあるが、選手をサポートするコーチ陣はもちろん、総括すれば全柔連の責任を問いたいところだ。怪我をした谷はきっと不安を抱えながら本番を迎える。これまでの実績が示すとおり彼女には驚異的な精神力が備わっているが、以前に比べれば体力的な衰えは否めないのも事実である。それをどこまで全柔連のスタッフはサポートできるのであろうか。。。強いチームワークで金メダル獲得を大いに期待したい。
さて、五輪開催期間中は、筆無精、、、もとい、キーボード無精のわたしも、その日感じた事を格信犯ブログでUpしていこうと思う。4年に1度のお祭りですからね。
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