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ver.11.0 屈折した光 ~041014_武士道5~ - 総合格闘技向上委員会 - 格信犯ウェブ

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総合格闘技向上委員会

ver.11.0 屈折した光 ~041014_武士道5~

marc_nas
2004.10.29
 2004年10月14日 PRIDE武士道其の伍@大阪城ホールを観戦し、気になった試合をいくつかピックアップして私なりの見解を述べたいと思う。その前に、大会全体の印象としては、前回「ver.8.0 何処へ行く武士道 ~040719_武士道4~」で述べた「軽量級や日本人選手の発掘・日本対世界とう元来のコンセプトをより打ち出し、PRIDEナンバーシリーズとの明確な差別化を切に願う」という願望が叶った形となった。ヴァンダレイやミルコに頼る今までのPRIDEセカンドラインとは異なり、K-1JAPAN+MAXのような意義のあるPRIDEアナザーラインなったのではないだろうか。
屈折した光
●今成正和 (日本/チームROKEN)
○ルイス・ブスカペ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
判定0-3
 今成正和が放つ光は、他の選手のそれとは全く異質である。パウンド全盛の現在の総合格闘技のリングにおいて、足関節に挑み続けるその姿は私たち観客にとってはとてもエキサイティングである。と同時に、演者にとってはとてもハイリスクである。
 しかし、今回のPRIDEのリングでも、今まで同様、肉を切らせて骨を断つ精神でアグレッシブに足関節にトライし続けたが、ルイス・ブスカペはよく研究し、警戒し、最後まで極めさせなかった。残念ながら、今回は今成の屈折した七色に輝く光は、見事ブスカペという壁に閉ざされてしまった。けれど、初見の観客達もその異彩の光の断片は垣間みる事が出来たのではないだろうか。
リアルプロレス
○美濃輪育久(日本/フリー)
●上山龍紀(日本/U-FILE CAMP.com)
判定2-1
 リアルファイトの対極に位置するのはプロレスじゃない。自分の提唱するリアルプロレス。そう、リアルかつプロフェッショルなレスリングだ!と前回の試合で美濃輪育久は高らかに叫んだ。今回の試合では鳴りを潜め、判定勝利後もマイクパフォーマンスなしに、田村潔司を無言で指さすに留まった。田村への挑戦はもうワンステップ必要ではないかと感じられた。
リアル武士道精神
○長南亮(日本/フリー)
●カーロス・ニュートン(カナダ/ウォリアー・マーシャルアーツ・センター)
判定3-0
 今回のベストバウトは間違いなく長南亮vsカーロス・ニュートン。道場のケンカ番長最強説が唱えられる時代などとうに過ぎ去り、相手を研究し、技術の攻防のスポーツと化した総合格闘技。そのリングにおいて、長南は山本KID同様、殺伐としたケンカスピリッツを感じることができる数少ない選手。サインに「殺」という一文字を書いたり、マウスピースに「KILL」という文字を刻んでいることからも感じ取ることができる。
 長南が試合前の会見で「前回(ヒカルド・アルメイダ戦)、自分は負けました。二度も続けて負けるような選手は、もういりません。」と自分の進退までも匂わせた。自分を鼓舞させるためや、ファンへの虚飾のメッセージではないのではないか。ハラキリ精神、負け=死という武士道精神を持って試合に臨んでいるのだと思った。
 また試合後のマイクでも「僕はファイターで、喋りに来たわけじゃありません。ありがとうございます。皆さんのおかげで勝ちました」と。自分は闘いによってのみファンを魅せるといった強い心の表れではないだろうか。また彼に強い武士道精神を感じた。
リスペクト
○五味隆典(日本/木口道場レスリング教室)
●チャールズ・“クレイジーホース”・ベネット(アメリカ/フリー)
1R 5'52" アームロック
 試合中、隣の若者が「クロ!帰れ!」と大声で叫んだ。そして「Black Go Home!」と続けた。長くプロレスや総合格闘技を観戦してき、観客のヤジで不快感を憶えたことは多々あるが、こういった人種差別的発言が聞かれたのは初めてだった。おそらく修斗やパンクラスのリングではこういった言葉は聞かれなかっただろう。PRIDEという大きな舞台で様々な観客が集まるからなのかも知れない。しかし、これは許されない行為である。最低だ。注目していると彼は五味隆典グルーピーだった。しかし、彼のような一部のファンのそのような行為により五味ファンや大阪のファン全体が下品であるように認識されてしまうではないか。
 私が「総合格闘技向上委員会」とタイトルしたのは、格闘技ファンの裾野の拡大を目的とし、つまりは、ファンの格闘技を観る目を養ってもらうことこそが、格闘技そのものの向上に繋がるのではないかという思いを込めたのだ。そんな心ないファンがいる限り、大袈裟かも知れないが、格闘技の向上の妨げにもなりかねない。選手も対戦相手にリスペクトを持って戦っているのだから、我々ファンもまた贔屓の選手の憎き対戦相手であってもリスペクトを持って応援してほしい。
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