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20世紀最強のキックボクサーの21世紀

yojirock
2004.02.22
 ピーター・アーツはK-1選手の中で一番好きな選手です。
 しかし、現状は人気、強さ、共に低迷気味。僕はもちろんそれを否定するが、多くの人はそれを肯定している。彼の現在のK-1での戦績である「97戦/ 75勝/ 21敗/ 1分/ 56KO(2004年2月現在)」とゆう結果こそが、「最強の暴君」と呼ばれる由縁ではなかろうか。
 彼を弱い選手扱いしている人はきっと、ここ数年のスランプ時代の彼しか知らないからではないだろうか?K-1デビュー当初からアーツをみてきた人であれば、アーツの実力は知っているはずである。
 彼が日本でデビューしたのはまだK-1が生まれる前の92年のリングス有明大会。対戦相手はカラテ・ワールドカップ '91の準優勝者であり、現在は正道会館のオーストラリア支部道場を開設し後進の指導にあたるアダム・ワットであった。当時無名だったアーツにとっては、圧倒的不利な相手であり、誰もがアダムの勝利を確信している中で、アーツは見事なKO勝利をおさめたのだ。そして、93年のワールドGP2ヶ月前に行われたオランダ大会でも、当時ヘビー級最強の名を欲しいままにしていたモーリス・スミスを4ラウンド目にして放たれた左ハイによって失神KOしたのである。当時は無敵を誇るアダム、そしてモーリスを相手にして劇的勝利をおさめたことによって、彼は一躍注目をあびるようになった。そんな中で行われた93年ワールドGPではさっそく優勝候補者筆頭に挙げられていたが、当時まだ無名だったアーネスト・ホーストに1回戦でまさかの敗退。この敗北はアーツ自身のみならず、ファンにも大きなショックを与えたが、逆にその敗北がアーツの闘志に火をつけることになった。それからのアーツは著しく成長し、94年、95年とワールドGPを2年連続制覇という偉業を成し遂げ、対戦相手は皆、彼のハイキックを恐れていた。まさに、今で言うならミルコ・クロコップの様な存在だったのである。
 しかし、96年に突然の内臓疾患によって、そこから彼の勢いはとまってしまった。同年のワールドGPではベルナルドに敗退。翌97年には体調不良にも関わらず準決勝まで進むものの、アンディ・フグに敗れた。現在、囁かれているように「アーツの時代は終わった」と、この時すでに囁かれ始めていた。
 しかし、アーツは這い上がってきたのである。98年のワールドGP準決勝では、親友であり最大のライバルであったマイク・ベルナルドを1RKOし、決勝では再びアンディとの再戦。アンディは初優勝の96年以降、3大会連続で決勝進出を果たし、念願のGP2連覇を目前にしていたため、アーツの伝家の宝刀であるハイキックを始終警戒しており、慎重な試合運びをしていたものの、アーツのスピードとテクニックはそれを凌駕し、アンディはマットに倒れた。なんと、アンディがハイキックを警戒していたのを逆に利用しての、右ハイフェイントによる左ハイで決めたのである。これが怒濤の大復活劇をみせたアーツによる、ワールドGP3連覇達成の瞬間だった。
 この試合こそが個人的にK-1史上最も印象に残っている試合です。
 しかし、もうこれは過去の栄光なのでしょうか?現在の彼の様子を見ると「昔は強かった」と言われても仕方がありません。でも、彼は一度這い上がってきています。だから、僕はまた再び這い上がってきてくれることを信じて、ずっとファンでいるつもりです。今年は総合格闘技にも挑戦しますが、正直、総合でどこまでやれるのかは不明です。しかし彼なら持ち前の格闘センスでなんとかやってくれるはずではないでしょうか?
 ピーター・アーツは21世紀も最強を目指します!!
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