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闘議(とうぎ)

銭誤苦(SENGOKU) -080305_戦極-

u-spirit
2008.03.17
銭勘定を誤り、苦しい船出となった戦極。

後に開催されるDREAMに擬え『いつまで、夢を・・・』と言ってる割には、オマージュの域を越えた酷似演出が一方的に”過剰意識感”を匂わせ、ガックリ。当日の客入りも”満員”と誇張するも、正味は招待券をバラ蒔いて席埋め、実券販売は半分程度だったと聞く。僕も当日、方々から招待券による観戦の誘いを受けた。でも、代々木に気は向いたが、体が向かなかった。同じ気持ちの友人宅にてケータリング・プチ・パーティー形式で5人でPV観戦。
<第1試合>
●ファブリシオ・モンテイロ×ニック・トンプソン○

”ジョークみたいな団体”と揶揄されたBodogのウェルター王者であるトンプソンとDEEPで國奥、中尾、阿部兄を撃破した実力者ファブモンテが、互いの持ち味を出し切り、激闘を繰り広げる。本日のベストバウトも日本では馴染みの薄い2人に会場は全く盛り上がらず。僕はファブモンテが有利と見ていたが、結果は凌いだだけに見えたニック。戦極ルールもダメージ重視なのか。


<第2試合>
○川村亮×アントニオ・ブラガ・ネト●

出ました!グレイシーバッハっぽい試合。敢えてタックル、どこまでもタックル、最後までタックル。でも何故か?今回は、”グレイシーフュージョン”と登録されていた。なんだろう?川村亮は、もっとキレのある試合を展開する選手なのに、グレイシー”コック”に塩味にされてしまった。残念。


<第3試合>
●瀧本誠×エヴァンゲリスタ・サイボーグ○

柔道に打撃を足した人vsムエタイに柔術を足した人。寝+打か?打+寝か?総合に転向するなら、どちらが有利?そんな視点で観ようと思ったものの…。瀧本は、いや、吉田道場は、ローキックのカットや足関節対策の練習をしていないのだろうか?進歩を感じられず。


<第4試合>
●ピーター・グラハム×藤田和之○

ピーター・グラハム…後回し蹴りでバダ・ハリのアゴを粉砕して一躍有名になった男って皆、忘れているかも。前日の会見騒動は仕込み?と思える程、呆気無い秒殺一本での幕切れ。藤田のタックルは”しかけ”が、分かりやす過ぎ。


<第5試合>
○三崎和雄×シアー・バハドゥルザダ●

『三崎、ダメじゃん!』一緒にTV観戦していた友人の一言。いやいや、バハドゥルザダも現役修斗世界王者ですから。『やっぱ、ブラジル人は強いね!』いやいや、違います。苦戦を強いられていた三崎は、突っ込んできたバハドゥルザダを上手くがぶって、フロントチョークをガッチリ一閃。プロの試合としては、100点満点の試合内容。


<第6試合>
○五味隆典×ドゥエイン・ラドウィック●

感想は「おお!久しぶりの五味。あっ、終わりました」以上。五味のパンチは、やはりキレがあり重い事を再認した。盛り上がったが、本人の言うとおり消化不良。本当に戦極のリングで自分を出せるのか?


<第7試合>
●吉田秀彦×ジョシュ・バーネット○

総合のリングで、あんなにキレイなバックドロップを見れるなんて!喜びすぎて、テーブルのグラスを倒し友人宅のカーペットを汚してしまう。スンマセン。その後の試合中もジャーマン、パワーボムをそれとなく狙って仕掛けるジョシュを見ていて、事前の嫌な噂が一瞬、脳裏を過ぎる。そんな心配を他所にジョシュは吉田をリフトアップ、マウント、ツイストと次々に攻めまくる。まさにキャッチ・アズ・キャッチ・キャン!バテバテの吉田に、ダメ出し連発するセコンド柔くんのコメントが音声に「動かなきゃダメだ!」「腕外して!攻めて!いかないとダメだ!あいてるって!」堪り兼ねた解説席の郷野が「もっと、選手の気持ちを理解してあげて、声をかけた方がいい」と苦言。さすがご尤もな意見。そして、フィニッシュは3R。タップリ魅せ場を作っていたジョシュがアンクルホールドを仕掛け、逆足をクロスさせて膝十字に移行し、再び、アンクルを取って吉田は即、タップ。勝利したジョシュは意味不明なベルトを腰に巻かれていた。
<大会総括>

 5月、6月に連続開催との告知よりも、今回、露骨に見えた彼らの本音。「業界主導権は我が手に!共存など不要!」やっぱり、連盟名乗れども、他団体とコミットする気は毛頭無い様だ。そんな彼らから競技に対する”愛情”は感じられない。正直、期待薄だ。豊富な資金源をバックにネームバリューのある選手や実力者を揃えても、何かが足りない気がする。ビジネスとしても、エンターテーメントとしても、中途半端な感じは否めないし、”モノマネ”では本流に成れない。それでも亜流か我流か分からないが、独自にファンの支持を得るには、この先、大会を地道に重ねて行けば道も開くだろう。だが、赤字だからとすぐに止めてしまえば、格闘技ファンから、総スカンを喰らうのは目に見えている。そんな今の”戦極”は、何処となく、かつてプロレス界に一石を投じた集団”SWS”に空気が似ている。

 『いつまで、夢を・・・』とDREAMに敵対心を剥き出しにしていたが、逆に聞かれるだろう。”総合対策が不十分な柔道家に、いつまで夢を?”開催さえすれば、簡単に儲かるとでも夢見ていたの?”汗を流さず金で作ったリングに、何が生まれるのだろう。ファンとして”魅力”を感じれないのは、皮肉にも彼ら自身が否定した”夢”が戦極のリングには見えて来ないからだ。戦極運営陣に今、一番必要なものは、総合格闘技に対するアイデンティティーだと思う。
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